自己紹介その4〜思い出〜

どうも、motoです。

それでは続きです。どうぞ。

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自衛隊に関する、辛い面ばかり話してきましたが

もちろん楽しいこともたくさんありました。

 

訓練の一環で、山に数週間こもることがあります。

そこでの生活は天幕(自衛隊用テント)での生活になります。

夜はみんなで集まって毎日バーベキューをしました。

夜の山奥は、季節を問わずとても冷え込みますが、みんなとお酒を飲みながら

澄んだ空気の中で語り合うのは最高の時間でした。

 

訓練の他にも、年に1度の楽しみがありました。

私は、高校時代に柔道をしていたので、駐屯地の柔道部にも入りました。

年に1度だけ、部員全員で集まって柔道の練習をして汗を流しました。

あまり練習時間の確保はできませんでしたが、年に1度大会に出て、

訓練以外のことをして集まれるのが私の中ではとてもたのしいひと時でした。

私が20歳の頃、3人制の団体戦に出場して、

なんと全国2位の成果を収めたこともあります。

2位と言っても周りの先輩方が恐ろしく強い人たちだったので

たまたま出ていた私も運良く全国大会の決勝戦を経験することができました。

私の戦績は5試合中全敗と、情けない結果でしたが、

今になってみればとてもいい経験でした。

 

休日には仲間と飲みに行くことも多かったです。

当時住んでいた仙台で、仲の良いメンバーと毎週のように

どんちゃん騒ぎしていたことは今になってみれば

遠く昔の青春時代のようにも感じます。

夏には手ぶらで行ける川沿いのバーベキュー場に

仲の良いメンツで集まって

川に飛び込んだり、何の意味もなく、ただただ笑い合い、

バカの仕合をしてゲラゲラ笑っているだけでしたが、

その瞬間瞬間が今になってみるととても大切な時間だったと気づきます。

 

次第に仲間がどんどん結婚をして家族を築いていきました。

すると、一人の時間が増え、一人で考える時間が増えていきました。

当時は、これといって趣味もなかったので、いろんなところにいってました。

 

よく行っていたのはBarです。

 

特に何をするでもなく、フラッと一人でBarに行っていました。

カウンター越しにマスターと話すのが、

何となくオシャレでカッコよく感じたのもありますが、

お店によって異なる世界観を感じるのも好きでした。

特に印象に残っているのが、ネットで調べて行ったお店です。

暗がりのビルの5階にひっそりと佇むお店はドアを開けた瞬間、

異空間に感じました。

オーケストラなのか、何なのかああまり聞いたことのない音楽が流れていて

哀愁漂う雰囲気の50代くらいのマスターが軽くニコッと微笑み

出迎えてくれました。

空気感なのか、何なのか、仙台の街中にはない不思議な空気を感じました。

お酒の味が絶品で、グラスの差し出し方も無駄がなく、スッと出してきます。

ボソボソっと話すだけなのですが、特に何もしなくても心地がいい不思議な空間でした。

特に大した話をしてるわけでもないのに、

こちらが勝手にいい気分になってしまうのです。

別に沈黙になっても、何ともないのです。

私は、当時仕事のことでとても悩んでいました。

結構人見知りする方なので、初対面の人にあれこれ話をする方ではありません。

ですが『この人なら聞いてくれるかもしれない』と思い、

気づいたら、あれやこれやと話していました。

マスターは、ただ、うなづき、話を聞いてくれました。

そして、アドバイスも何もしてこないのですが

とても気分が楽になったのを覚えています。

 

仕事では、重要な任務を任されるようにもなりました。

ある程度、現場での経験もあったので、後輩を引き連れて、

現場の指揮をとることもありました。

教わる側から教える立場になり、

責任のある仕事をすることも多かったです。

教わる立場の頃は、ただ言われたことをしていればよかったですが

教える立場になると、そうもいきません。

『どうやったら、後輩が動くのか?』

『どうしたら、いい関係を築けるか?』

『どうしたら良い後輩が育つのか?』

厳しいだけでもダメなので、時には励ましてあげたり、

あえて突き放してみたり、時には背中を押してあげたり、

酒を飲んで語りあったりもしました。

 

こう振り返ってみると、一番楽しかったのは

人との関わり合いだったなと感じています。

たくさんの人と関わり合う中で、いろんなことを考えたり、悩んだりしました。

しかし、そこで、自分を成長させてくれたのは、たくさんの人でした。

先輩や上司から教わることも多かったですが、

後輩や部下に、逆に教わることもたくさんありました。

 

10年間の自衛隊生活の中で、

私が一番得たものは

『人とのつながりあい』でした。

 

つづく